以前ふくやくセミナーでも、「ライフプランセミナー」など
を開催していただいた
フィナンシャル情報館の山本様に、今月から
『プロに学ぶマネー術』としてお金のことや保険についてなど
定期的にコラムを書いていただくことになりました。
第一回目は「薬局を開業される方の保険でのリスク回避」についてを
ご紹介いただきます。
フィナンシャル情報館株式会社の山本哲也です。
私は今まで述べ7000人を超える方々からライフプランの設計や適正な保険加入方法
または賢い資産運用の相談を受けてまいりました。
その中でも会社や病院、薬局を開業される方々の相談を特に多く受けてまいりました。
薬局を開業される方々は将来への希望を持っている方々が多い反面、
人件費や設備投資などの先行投資もあり、不安を抱えてのスタートとなることが
多いのも事実です。
私自身も平成20年に会社を興し、現在に至るまで順調とは言えないまでも、一経営者として
色々な問題を乗り越えてきたつもりです。“問題”という表現を使いましたが、今となっては
当時“問題”として捉えていたことも大した問題ではなかったことに気づきます。
今回のコラムは開業される先生方にとって、注意すべきポイントを挙げていきたいと思います。
将来の開業の一助になれば幸いです。
■保険は掛け捨てで必要最小限がベスト
開業するとあらゆるセールス業界の標的になります。“経営者”=“お金持ち”という概念が
根強くあるからです。その中でも保険業界からのセールスはすごいものがあります。
「勤務していた時代と違って、背負うものが多くなるのでこれくらいの保険は最低限
加入しておかないと!」や「先生が入院をしたら薬局の売り上げが下がりますけど、
下がった分はどうするんですか?入院をしたらこれくらいの入院保険には加入しておかないと!」
という感じにです。
確かに、この考え方に当てはまる方もいるかと思いますが、開業当初は
なるべくランニングコストは抑えたいところです。保険会社は不安を煽り高額の契約に
繋げようとするセールス話法が常習化してますので、皆さんにとって信頼のできる
保険セールスマンに一度相談してから適正な保障内容は決めてはいかがでしょうか。
私の意見を申し上げると、借入金相当分を打ち消すことが出来るくらいの
死亡保障金額と残された家族の生活費を保障できる金額で十分だと思います。
保険商品で掛け捨て型貯蓄型がありますが、掛け捨ては嫌だからといって
貯蓄型を選ぶ方がいますが、私はあえて掛け捨て型をお勧めいたします。
貯蓄型は昨今のマイナス金利の影響で商品性が悪くなっていること、
掛け捨て保険よりも同じ保障内容で何倍もの掛金を支払っていく必要があること、
契約してからある一定期間内で解約するようなことがあったときに
かなりのマイナスが出てしまうため解約しにくい、という理由が挙げられます。
繰り返すようですが、開業当初はランニングコストをなるべく抑えたいので
安い掛金で高い保障を契約でき、流動的にプラン内容が変更できる掛け捨て型の保険を
検討するべきです。
■節税をしながら資産運用
経営が安定してくると大きな悩みのひとつとして、勤務していた時代と異なり、
所得が高額となり税金を多く納めることになるケースがあります。
そんな中、計画的にお子さんの教育資金や老後資金を作っていきたいという方も
少なくはありません。そこで老後資金を作っていきたい方に強くお勧めしたいのが、
個人型確定拠出年金(iDeCoイデコ)です。
この制度は2001年に制度開始になっており、
毎月の掛金が全額所得削除になります。
国民年金加入者(第1号被保険者)であれば月々68000円(年間816000円)の掛金を
拠出できます。
例えば所得税住民税を約50%の税率で納税されている方は年間掛金60万円を拠出すると
約30万円の税金戻りを受けながら積み立てが出来るということです。
所得税率が高い経営者の方々にはとてもメリットがあります。
拠出した資金はご自身によって定期預金や保険商品、株式や債券などの投資信託を選択し、
その運用結果によって60歳以降に受け取る一時金あるいは年金に反映されます。
詳しくは下記のURLを参考にして下さい。
http://www.npfa.or.jp/401K/
前述で貯蓄型の保険の話をお伝えしましたが、資産運用といった観点でも
一昔前の保険内容から比べて商品内容が悪くなっていますので、
保険での貯蓄は個人的にはあまりお勧めできません。
■病院の設備等は火災保険で守ろう
開業時に設備や機械類に高額の投資を行います。その投資した設備機械類が
予期せぬ出来事で損害を被る場合があります。火災や落雷、台風、水害や地震etc。
私のクライアントでも去年の3月に熊本で病院を開業し、その1ヶ月後に
熊本地震に遭ってしまい、5000万円の機械が壊れてしまったということがありました。
このように事業機械類は高額のものが多く、それらのものが予期せぬ出来事で
壊れてしまった場合、再度、高額の資金調達をし、一から始めないといけなくなります。
このようなリスクに対応する保険に加入する必要があります。火災保険と地震保険です。
最近の火災保険は前述で挙げた自然災害以外にスタッフが機械の操作を誤って
故障させた場合でも修理費用が支払われる補償内容もあります。
★まとめ
薬剤師という素晴らしい職業で活躍されている皆さんが安定した薬局経営をしていく上で
前述してきたポイントは最低限抑える必要があると考えております。
勤務されていた時代とは異なり、開業される薬局の責任者となることは
当然のことながら、薬局の経営という金銭的な舵取りもしなくてはいけません。
薬剤師の仕事に集中するためにも毎月のランニングコストを最小限にしつつ、
あらゆる事由にも対処できる保険でリスクをカバーしつつ、
将来のために賢く資産運用していくことが重要であると考えます。
代表取締役:山本 哲也
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●税理士事務所への金融知識向上セミナー 『クライアントのキャッシュフロー改善法』
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●不動産業者向けセミナー 『不動産オーナーの相続対策』
●資産運用保全セミナー 『現在のマーケット情報とこれから。。。』
●保険代理店への知識向上セミナー 『クライアントに必要は保険商品とは!?』
●歯科スタディグループ金融情報セミナー 『あっと驚く金融の豆知識!』
<執筆>
●新日本保険新聞 『気づきの保険セールスアイディア日記』
●FP情報通信